読みもの

第4回 町とNew Me! 「樫尾俊雄発明記念館」

2021.01.22

第4回 町とNew Me!

いつも通っている町なのに、そこには知らないことがたくさんある。

身近な街をもっと知れば、きっと自分の世界が広がるはず。

皆さん、こんにちは。タムラです。

学生の目線で、身近な町の知らない素顔を紹介していく連載「町とNew Me!」。毎回、町の魅力あるポイントをピックアップしていきます!

第4回でご紹介させていただくのは、成城大学駅西口から徒歩15分程度の住宅街にある樫尾俊雄発明記念館。

この樫尾俊雄発明記念館は発明家・樫尾俊雄(かしおとしお)氏の自宅の一部を用いて、その業績を展示した記念館です。

樫尾氏はG-SHOCKなどで有名なカシオ計算機(CASIO)の創業メンバーであり、現在の計算機の原型の考案であるリレー計算機の開発や一般への普及が功績として認められ、藍綬褒章を受章された発明家です。

樫尾俊雄発明記念館は閑静な住宅街の中に建てられているため、近所の方に配慮して完全予約制となっているので来館する際にはご注意ください。

樫尾俊雄発明記念館にはスタッフの方が常駐されているため、詳細な解説をいつでも聞くことができます。

今回はコロナウイルスの感染防止のため、メール取材をさせていただきました。

ホームページからパノラマビューで館内を見学できるのでぜひご覧ください。

樫尾俊雄発明記念館は故・樫尾俊雄氏のご自宅がご本人の遺志により、記念館として残され、お部屋の一部が数々の発明と共に公開されています。

このご自宅も樫尾氏がご自身で考案したこだわりの建築であり、写真からもわかる通り、50年前に建てられたとは思えないほどにオシャレで現代的な造りになっています。

では早速、記念館の中も見てみましょう!

広い玄関を入ってすぐのところには樫尾氏のご自宅のジオラマや彼の略歴があります。

また、その左側の壁と天井には白頭鷲などの鳥をモチーフにしたステンドグラスがはめ込まれています。この鑑賞を目的に遠方から訪れる人もいるといいます。

順路を辿って先に進むと様々な展示がされている5つの部屋のうち最初の部屋である、「発明の部屋」に到着します。

こちらの部屋では国立科学博物館や米国スミソニアン博物館にも展示されている14-Aという歴史的な計算機が実際に動くところを見ることが出来ます。

また、14-Aの詳しい仕組みや特許を取った際の特許明細書も見ることが出来ます!

お次は「数の部屋」です。

そこでは最初期の大きな計算機からクレジットカードサイズまで小さくなった計算機といった実物をCASIOの計算機の歩みと共に見ることができます。

また、ここで見ることができる計算機に使われているのは樫尾氏の独自の平方根のアルゴリズムだそうです。

「数の部屋」を出て、下の階に行くと第3の部屋、「音の部屋」にたどり着きます。

この「音の部屋」では音楽にも造詣が深かった樫尾氏が、より多くの人に音楽演奏を楽しんでもらうために開発した電子キーボードやデジタルシンセサイザーといったカシオの電子楽器が展示されています。

この部屋の映像資料では音楽家の方が実際に演奏しているところも見ることが出来ます。

「音の部屋」のすぐ隣、「時の部屋」では「0から1を生み出す」という樫尾氏の哲学から生まれた個性豊かなカシオの時計が開発秘話と共にご覧いただけます。

この部屋では高度計や辞書、血圧計といった様々な便利機能が取り入れられたCASIOの時計の進化が100本近い実物と共に展示されています。

最後に訪れるのは樫尾俊雄氏の発明の根幹ともいえる「創造の部屋」です。

貴重な調度品や愛用品が展示されており、樫尾氏ご本人のインタビュー映像も見ることができます。

これら5つの部屋は建物同様すべて樫尾氏が提案したもので、釘が見えないようにしていたり、木は無垢材を使っていたりと、手間を惜しまずこだわりぬかれたものになっています。

今回樫尾俊雄発明記念館にはメールとパノラマビューを併用しての取材をさせていただきました。

知れば知るほど興味深く、内装、外観共に樫尾俊雄氏が細かいところまでこだわりぬかれているのが画面越しでも見て取れて、ぜひとも訪れたいと強く思いました!

次回もお楽しみに!

ご協力:

樫尾俊雄発明記念館

東京都世田谷区成城4丁目19-10

樫尾俊雄発明記念館|一般財団法人樫尾俊雄記念財団【公式サイト】 (https://kashiotoshio.org)

開館時間:10時~16時