読みもの
—週末ブンゲイ特別編—『青空文庫で読書をしよう!』
2020.08.21
こんにちは、皆さん。タケダです。
今の情勢に伴い、週末ブンゲイは特別編をお送りしています。
おうちで楽しめる「学び」につながる様々なコンテンツを紹介するこの企画。
今回のテーマは「青空文庫で読書をしよう!」です。
大学の授業がオンラインでの開講になり、外出する機会が減ったことで、
時間を持て余している人も少なくないと思います。
そんな時間を有意義に過ごすための一つの選択肢として、本を読むことをおすすめします!
読書は物語を楽しめるだけでなく、教養として知識が身につくからです。
そして今回は、インターネット上で良書を無料で読むことができる、「青空文庫」を紹介します。
【青空文庫とは】
青空文庫は、著作権の保護期間を過ぎた作品、及び、公開されることの許されている作品を電子化して無料公開するサービスです。作品は文学だけにとどまらず、芸術や哲学などの様々なジャンルの本が、約15000冊以上公開されています。
【なぜ無料で読めるのか】
青空文庫は、運営や管理費用などが、「本を電子化して誰でも読めるようになったら嬉しい」という思いから、すべてボランティア活動や有志による寄付金によって賄われているからです。また、ボランティアに携わる方々は「青空文庫工作員」と呼ばれており、工作員の方々が作品ファイルの整備・点検を行っています。
【利用方法】
まず、インターネットで「青空文庫」と検索し、作品を探してみてください。読みたい作品を見つけたらそのファイルをクリックするだけ。スマホでもPC・タブレットでも読むことが出来ます!
(リンクはこちら:https://www.aozora.gr.jp/)
また、Kindle等の電子書籍リーダーを持っている人は、Amazonで「青空文庫」と検索するといくつかの作品が無料で販売されています。
スマホで読むという人は「i読書-青空文庫リーダー」や「ソラリ-青空文庫から本の世界へ」などの青空文庫に特化したアプリがあるのでそちらもおすすめです。
【青空文庫で読めるおすすめの文学作品】
次に、青空文庫で読むことのできる文学作品を、3つおすすめしたいと思います。
どの作品も無料で読めるなんて、ありがたいですね。
①『夜汽車の食堂』 中原中也
良い文は、長短では推し量れないものですが、この作品はまさかの約5ページの短編です。短いので読書の苦手な人でも気軽に読むことができるはずです。生まれ育った地を離れる少年の物語なのですが、比喩表現や修飾語などの表現がとにかく巧みで、そこから生まれる情景描写によって、物語の世界をあたかも現実で体験しているような気分にしてくれます。
②『痴人の愛』 谷崎潤一郎
こちらは少し長めの作品です。主人公が15歳のカフェの女給「ナオミ」を妻にするために養育するも、やがて、彼女に翻弄されて四苦八苦していくという物語です。移り住む地の自然描写とともに男女の感情の機微が精巧に描かれています。
③『変身』 フランツ・カフカ
青空文庫には国外の文学作品もあります。この作品は、ドイツの文学作品です。主人公の青年がある日起きたら巨大な虫になっていたという、突飛な設定で物語が進んでいきます。青年に対する家族の変化や、青年の動揺や悲観は思わず同情したくなるほどの有様です。時間を忘れるほど濃密な、イチオシの作品です。
私達の通う、成城大学の図書館では、莫大な数の蔵書が閲覧可能です。
ですから、青空文庫で読書の楽しさを実感して、大学生活が始まったらたくさんの本に触れてほしいと思っています。