読みもの
研究室360°第一回 ヨーロッパ文化学科村瀬鋼先生
2020.03.06
三号館にあるのは知っている、でもなかなか入るのは難しい研究室。
そこに360°カメラが入り込み、研究の一端を知ると同時に、先生の知られざる一面も垣間見てしまおうというこの企画。
記念すべき第一回で訪問させていただくのは文芸学部の学部長にして、フランス哲学を専門とするヨーロッパ文化学科の村瀬先生の研究室。
その扉の先は一体……?
ホワイトボードには、村瀬先生主催の読書会のメモが! 読書会はマンツーマンで行われており、学生が一般教養の授業で関心を持って質問に来ていたことがきっかけで催されるようになったという。他にも、ゼミや大学院の授業もしばしばここで行われている。
本棚にある本のうちで、読んでいるのは1/5くらい。絶版になってしまう可能性も考え、研究に関係のありそうなものは買えるときに買っている。研究は自宅でも行うため、そこにも同じくらいの量の本があるという。哲学関係の本だけではなく、小説本や、ときにはマンガまでが本棚に並んでいた。やはり哲学研究には、多様な関心と多様な教養が必要なのだろうか。
ロッカーにはたくさんの記念写真が貼られている。実は四大戦(四大学運動競技大会)には教職員種目があって、その際の集合写真もある。元ボート部の村瀬先生は成城レガッタにも参加した。
この証明写真は深夜、中央線の相模湖駅で撮影されたものだ。それに至る事情は、残念ながらここには書ききれない。ぜひ先生に直接尋ねてみてほしい。
ここには、サルトルの二次元フィギュアや、澤柳政太郎の言葉、デビット・ボウイの写真など、いろいろなものが貼られている。それぞれの由来について、先生からお話をうかがってみたいものだ。
これは19世紀ブルターニュの哲学者ジュール・ルキエ(Jules Lequier)が草稿に書き残した落書きのコピー。村瀬先生は日本で唯一といっていいルキエの研究者なのだ。
落書きは木と謎の三角形が印象的。この木はルキエの言説に登場する木の例えに連動しており、三角形はカトリックキリスト教の三位一体を表していると解釈されている。また、三角形を往復する矢印は父と子の間に相関があることを示していると思われる。
入り口の小窓から覗くのはデカルトの肖像画。さながら研究室の門番のようだ。中は覗けないが、明かりが漏れるので在室かどうかはわかるようになっている。
いかがだっただろうか。
研究室を覗き見たことが、自分の興味と学びが結びつくきっかけになれば嬉しい。
最後に、村瀬先生から学部生に向けてメッセージをいただいた。
「皆さん、生きて、悩んで、考えてください。人生は意外なものです。」
次回の「研究室360°」もお楽しみに!
村瀬 鋼 (むらせ・こう)
成城大学文芸学部学部長。同ヨーロッパ文化学科教授。東京大学人文科学研究科博士課程(哲学専攻)修了。フランス哲学を専門とし、他に自我論、他者論、身体論などを研究。
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